ニュースになる写真がイメージ

今日は奈良の東大寺で大仏のお身ぬぐいがあったそうな。
http://www.asahi.com/national/update/0807/OSK200808070026.html

写真で見ていただいてわかるように、このお身ぬぐいの際には
人が大仏の上に乗っている。

当然に、こういう行事や仏像を移動させるときというのは
事前に必ず魂を一旦抜く法要をする。
これはなんとなく、仏教じゃない人でも知っていて
当然のことだと思っていると思う。

東大寺の大仏がニュースになるときって、
そういえば、たぶん毎年この時期で、同じようにこんな写真。
日本の常識で言えば、これは行事があるから人が乗ってることがわかる。

でも、これが一旦外国の人の目に触れたら・・・・

イギリス・アメリカで過ごした時期が少しだけあるので
そのときの友達で今でも交流のある人が何人かいる。
人によっては、私や他の日本人留学生との交流が元で
日本に来てみたくなって、日本留学をしてみた、なんて人もいるし、
日本に今住んでる人もいる。

そんな友達の中の一人Jさん（アメリカ人）。
それは数年前の出来事。

留学していたのが関東の大学だっため、
基本、時間があれば東京に出て色んなところを観光していたらしいが、
私が大阪に住んでいることを知っていて、大阪（というか西日本）に
遊びに行きたい、家に泊めて、と言われたので、どうぞどうぞ、ということで
大阪に来てもらった（まだ実家に住んでいたので、
実家に泊めた）

どこに行きたいか聞いてみると、
是非大仏が見たい、という。

大阪からならすぐの距離だから、日帰りでOKだし
早速奈良へ向かった。

夢にまで大仏をいよいよ見られる！！と
大興奮のJ。
奈良に着いて、

鹿がかわいい！町並みが良い感じ！
そして！あれが東大寺か！中に入れば大仏が！！！

と、なんせエキサイトしている様子。

小学校の遠足で来るような場所なので
特に新鮮みもない場所だったので、
奈良の大仏に感激しまくってくれる外国人に
なんだかこっちまで嬉しくなってしまう。

これで大仏を見たら、どんなに喜んでくれるのか、と。

いよいよ、大仏とご対面！！！！

Jの反応


・・・・・・・


そして表情は不満げ。


なぜだかわかりますか？


そう、大仏って上れるもんだと思っていたらしいのです。
大仏によじ登って、手のひらに乗ったところを
写真撮って貰おうと思っていたのだそうです。

人が上っている写真を見たことがある。
どうして今は上れなくなってしまったのか。

と、質問攻めに合う私。そして、とりあえず色々と説明しつつ
なるほど、イメージ先行の先入観がいかに恐ろしいかを実感したのでありました。

大仏は上がれるもんじゃないのだ、とわかってしまったJは
一挙に興味を失ってしまっていました。
ものすごく昔にこんなでかい仏像をつくったのだよ、とか
東大寺もすごいでしょ、でかいでしょ、とか
そういうことには、もとから結局興味がなかったようです。

最終的には、鹿せんべいを買って鹿に半分襲われながら餌をやって
大爆笑していたり、
お堀（かな？）にいる大量の鯉が餌を投げ入れると
ものすごい勢い＆量でむらがってくるのをおもしろがっていたり
するだけでした。

結局のところ、日本の仏閣の持つ独特の雰囲気までもを
理解するのは異文化の人には難しいのでしょう。
もちろん、よく理解している人やとても興味を持つ人もいるのですが。

なんというか、大仏をテーマパーク的に捉えていた・・・のかな。

お身ぬぐいの写真をみて、ふと昔のそんな出来事を思い出したのでした。